脳の力を引き出す「フェルデンクライス」

先週の土曜日は
久しぶりにフェルデンクライスの研修会にzoom参加した。
この研修会は、
フェルデンクライス博士が、
アメリカ・マサチューセッツ州アムハーストで行った
伝説的なトレーニングコースを翻訳して
受けられるというもの。
当時の動画には、
各地から約200名の人々が参加し、
年齢も職業もさまざまで、
医療や教育、身体に関わる仕事をしている人もいれば、
純粋に自分の体を知りたいという人もいる。
200人が同時に静かに動いている光景は、なかなかのもの。
レッスンで行うのは、
勢いのある運動や「正解の形」を目指す練習ではなく、
ゆっくりした動きを通して、
骨や筋肉の動きや重さ、呼吸との関係に気づいていくことを大切にしています。
これは神経系がどのように動きを学習し、
更新していくかという、
とても現実的で科学的なアプローチ。
フェルデンクライス博士は、
物理学者であり、柔道家でもありました。
ケガによって自分の体が思うように動かなくなったことをきっかけに、
「人はなぜ動けなくなり、どうすれば回復するのか」を、
力学や神経の働きという視点から探究しました。
その結果生まれたのが、
がんばらせるのではなく、
神経系を学び直させるというフェルデンクライス・メソッドです。
不思議なことをしているようで、
実はとても地に足がついている。
それがこのメソッドの面白さでもあります。
この日、強く印象に残ったのが
フェルデンクライス博士が
「学校での学習は、本当の意味での学びではない」
と言っていたこと。
博士はこう考えていました。
私たちは「難しさ」や「できなさ」を経験するために、
わざわざ難しい仕組みを作り出している。
それが学校での学びだ、と。
学校ではノートを取ることを教えられるけれど、
それは「覚えなくて済むようにする」ため。
ノートがあるから、理解しなくてもいい。
あとで見返せばいいから、その場では本気で耳を傾けなくなる。
でも本当の学びは違う。
聞いて、感じて、理解して、自分の中に吸収する。
そうすれば、もう見返す必要はない。
体や脳が、その経験を覚えているから。
フェルデンクライスがノートを嫌ったのも、
同じ理由だったのだと思います。
書くことで安心するより、忘れるかもしれない不安ごと、感覚に集中する。
そのほうが人間の脳は、ちゃんと学ぶ!
博士はそこを徹底的に信じていた。
「人間の脳はもっとすごい」
フェルデンクライス博士は、よく
「人間は自分の脳の、ほんの数パーセントしか使えていない」
という話もしていました。
だからこそ、
覚えるためのノートより、
感じて学ぶこと。
正解を集めるより、自分で気づくこと。
そうやって脳を“使い切ろうとする”こと自体が、
フェルデンクライスの学びだったのだと思います。
研修を通して、何度もそれを思い知らされました。







